虎番記者席

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■ 連覇の夢消える…
 中日が優勝を決め、球団史上初のセ・リーグ連覇という阪神の夢がついえた…。

 奇跡への扉が閉ざされた。自らは、どうすることもできない。もどかしい時間の中、虎の闘いが静かに終えんを迎えた。

 「1年トータルでのゲームやから。追い上げたというても、優勝争いしてるチームに分が悪すぎた」

 岡田監督は西宮市内の自宅で運命の行く末を見守った。12日の甲子園直接対決を前にV逸。6勝14敗1分けと負け越した中日戦を敗因に挙げた。

 3年契約最終年。「球団で誰もしたことがないんやから。連覇したら、辞めてもいい」。課せられた命題は球団初の連覇と、21年ぶりの日本一。自らの去就を賭けてきた集大成の1年だった。

 重圧に押しつぶされそうになる。球場に出発する前、決まって激しいおう吐に襲われる。「グラウンドに出るときは、胃が空っぽなんや」。人前では弱みを見せない。タテジマを着れば、気丈に振る舞った。

 最大9ゲーム差。コーチ会議で、片岡に代わって喜田の昇格が検討された。「片岡を外したら、諦めるということやろ」。何が起きるか分からない。消えそうな灯火を手で覆い、奇跡だけを信じてここまできた。

 9月16日にノーヒットノーランの屈辱を味わうなど、ナゴヤDでは1勝10敗。「ナゴヤドームで借金9もしていたら勝てないわな。対策を何とかせんとなアカン」と早くも来季に目を向けた。

 「勢いじゃなく、トータルで最後まで踏ん張れた。目指しているチームになってきたわけやから。まず優勝争いするチームに負けないことや。80勝以上して勝てなかったということは、来年はこれ以上、勝たないといかんということ」

 前半は故障者に泣き、終盤は崖っぷちから執念をみせた。80勝を超えるハイレベルな優勝争い。竜を苦しめ、落合監督すら脱帽させた。それでも満足はできなかった。

 「こんな中でやったのは、大きいよ」

 その一言には自信もみなぎる。球団は来季1年契約を用意。岡田阪神の4年目は文字通り背水となる。至上命題となるV奪回は、まず竜倒から始まる。

■セ・リーグ順位表
[2006/10/10現在]
   勝 敗 分 差
1中日 85 52 5 優勝
2阪神 82 57 4 4.0
3ヤクルト 69 70 2 13.0
4巨人 65 78 2 6.0
5広島 60 79 5 3.0
6横浜 57 83 3 3.5
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