虎番記者席

■ 移籍確信!?
 メジャー移籍、年内容認へ―。井川が西宮市内の球団事務所で契約更改交渉を行い、ポスティング・システムによるメジャー移籍を改めて熱望した。結論こそ持ち越しとなったものの、井川は「気持ちは十分伝えたし、伝わったと思う」と手応えを強調。沼沢球団本部長も「球団内部でイエス、ノーを検討する」と従来より踏み込んだスタンスを示すなど、球団内で容認論の高まる米大行きへ向けた流れが加速してきた。
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■ 筋トレのススメ
 清原、ウッズのようになれ! 広澤新打撃コーチが秋季倉敷キャンプ第1クール2日目、来季右方向への本塁打量産を狙う浜中に筋トレの勧めを説いた。「外の球を飛ばすには三頭筋が必要。清原もウッズにしても二の腕がすごいだろ」と飛距離アップのカギを握る「上腕三頭筋」の筋力アップを指示した。さらなる飛躍を狙う若き大砲。丸太のような二の腕への改造で本塁打量産を目指す。
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■ アニキ始動!
 究極の目標は500号本塁打! 金本が広島市内のトレーニングクラブ「アスリート」で07年に向けて始動。「将来的には500が目標」と、過去8人しか達成していない大記録に焦点を定めていることを明かした。現在、通算363本塁打の鉄人だが、来季中にも達成可能な400号本塁打、2000本安打は単なる通過点にしか過ぎない。40歳を目前にしてもアニキはノンストップだ。
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■ エース流出は想定内!?
 秋季キャンプ地、岡山へ入った岡田監督は今オフ仮に井川の米大リーグ移籍が実現したとしても、「何とかなるもんよ」と戦力維持に自信をのぞかせた。近く井川との交渉を控える球団内部でポスティング容認論が高まる中、明日から始まる今秋キャンプでは“ポスト井川”の育成発掘を掲げるなど、危機管理に怠りはない。
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■ 善は急げ!
 異例の10月開戦や! ポスティング・システムによる米大移籍を希望している井川の契約更改交渉が、早ければ10月中に行われることが明らかになった。井川本人に加え、橋岡宏成弁護士も同席することで、ポスティング問題が話し合われることは確実。残留か、移籍か。早期決着へ向けた第一歩となる。
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■ いきなり動いた!
 広澤新打撃コーチが指導者デビューを果たした。秋季練習が行われた鳴尾浜球場に背番号85の真新しいユニホームで登場。打撃練習では現役時代の背番号31を受け継ぐ林に熱い視線を送った。新コーチの期待を背中で感じ取った林は弟子入りを熱望した。
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■ 先発ローテ見えた!
 岡田監督が中村泰に大きな期待を寄せた。「ファーム選手権での完封が自信になったみたいやな。きょう見た中では抜けてる感じやな」。筒井和、岩田らと並び鳴尾浜でブルペン入りしたが、指揮官はその投球ぶりを絶賛。来季に勝負をかける4年目左腕は「来年1年はローテを守れるピッチャーになりたい」と抱負を述べた。
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■ 開幕から全開!
 20日に内視鏡による左ヒジ手術を受けた下柳が、鳴尾浜球場でリハビリを開始した。治療を行い、エアロバイクなどで汗を流した左腕は経過について「順調だよ」と明るい表情。今後は、来シーズンの開幕を万全の状態で迎えるため、同球場内の施設でリハビリに励む。
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■ スペンサー解雇…
 スペンサーと来季契約を結ばないことを発表した。加入2年目の今季は、同じライトのポジションを争っていた浜中の完全復活もあり出場機会が激減。わずか59試合の出場で打率.222、6本塁打、17打点の成績に終わり、シーズン途中の4日に米国へ帰国していた。球団はこの日、セントラル野球連盟に、ウエーバー公示を申請。スペンサーは来季も日本球界でのプレーを希望している。
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■ 左腕克服や!
 左を制して3割、20発や! 岡田監督が鳥谷に今オフのノルマとしてサウスポー対策を課した。打率.289、15本塁打、58打点と打撃3部門で自己新を記録した今季。それでも指揮官には、クリアすべき課題が見えていた。

 「(シーズンの)最後は、ずっと左をぶつけられたからな。どうせ全試合、出んといかんのやから克服せんとな」

 シーズン残り10試合となった9月27日の時点で打率.297。プロ初の3割マークのチャンスは十分にあった。だが、そこから失速。10月2、3日のヤクルト戦では石川、石井一の両左腕に無安打に封じ込まれた。対右投手の打率.306、13本塁打と比べ、対左投手は打率.258で2本塁打。そこには、顕著な差があった。

 岡田監督は「相手の攻め方もだいぶ厳しくなってる。それも、成長してきてる証拠や」と口にした。来季はさらなる飛躍で、壁をぶち破ることを望んでいる。「克服していって3割、20本打ったらな。一番(守備の)負担のかかるポジションでな」。自身の監督生活とも重なる入団以来3年の歩みから、12球団No1の“打てる遊撃手”への可能性を感じている。

 「3割、20本なら1番も打てるわ」と語ったこともある。鳥谷の成長いかんで、打線編成の幅も広がる。まぎれもない、07年猛虎のキーパーソンだ。
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■ センターも守れ!
 岡田監督が林に中堅挑戦を指令した。今季主に代打として打率.303、5本塁打を記録した打力を最大限に生かすとともに、不振にあえいだ赤星の“刺激剤”として、その存在に期待を寄せている。
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■ 3つの顔!?
 打撃コーチ就任が決まった広澤克実氏が球団と契約合意に達し、西宮市内の球団事務所で会見を行った。会見では広澤氏の恩師である野村、長嶋、星野の3大名将のイズムを伝承していくことを誓った。

 3年間の評論家生活を経ての現場復帰で、大きな指針となる教えがある。ヤクルト、巨人、阪神の3球団で4番を歴任。実績もさることながら、野村、長嶋、星野という名将との出会いが、何よりの財産だった。

 「野村さん、長嶋さん、星野さんからいろんなことを教わった。いいとこどりして、使い分けていきたい」

 野村監督からは理論、長嶋監督からは感性、そして星野監督からは気迫という、勝負をする上で重要なファクターを吸収した。それぞれの打者の特性を見極めながら、それぞれに的確なアドバイスを送る。「引き出しはたくさん持っている」という言葉に、自信がみなぎる。

 長距離砲の育成にも期待がかかる。深刻な得点力不足からの脱却。そのための宿題として、筋力トレーニングの勧めも説いた。

 「本塁打を打つにはヘッドスピードを上げること。金本といういい例があるし、オフには筋トレもしてほしい」

 黄金期を築くための労力は惜しまない。秋季キャンプから新たなエッセンスを注入していく。
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■ 猛アピール打!
 宮崎で行われているフェニックス・リーグのヤクルト戦で、プロ5年目の桜井が3打数2安打3打点と大暴れ。和製大砲と期待された男が来季の初の1軍昇格へ向け、猛アピールを続けていく。
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■ また竜と争奪戦!
 またも竜虎の争奪戦が勃発した。中日が今季FA権を取得した広島・黒田の獲得に乗り出すことが明らかになった。黒田がFA権を行使した場合にはV奪回を目指す阪神がすでに獲得へ動く方針を固めているが、高校生ドラフトでの堂上に続き、またも補強戦線でセ界の両雄が激突する形に。巨人に加え、米大リーグ球団も絡むし烈な争い。もちろん一歩も引けない。
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■ 1年勝負!
 公式戦全日程終了から一夜明け、金本がFA権を行使して残留する意向を明かした。近日中と目される球団との契約交渉に関しては、自身への刺激剤として単年契約を選択肢に挙げた。実現すれば規定上、年俸2億6000万円は据え置きでも、再契約金3億円を加えた総額5億6000万円という“猛虎史上最高条件”が確実だ。(金額は推定)
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■ 井川有終!
10/16 神宮
◆対ヤクルト最終戦
[阪神13勝8敗1分]
神200 001 000=3
ヤ000 000 000=0
[勝]井川 14勝9敗
[敗]石川 10勝10敗
▼本塁打
(神)金本26号・林5号
(ヤ)


 見事な有終マウンドだった。今季最終戦となったヤクルト戦、井川が今季3度目の完封勝利で飾った。最終9回に3三振を記録するなど10奪三振の力投。自身3度目の奪三振王タイトルを中日・川上と分け合った。2006年の公式戦を終えて次の焦点は去就問題へ。ポスティングシステムを使った米大リーグ挑戦の夢はかなうのか。球団との交渉の行方に注目が集まる。

■セ・リーグ順位表
[2006全日程終了]
   勝 敗 分 差
1中日 87 54 5 優勝
2阪神 84 58 4 3.5
3ヤクルト 70 73 3 14.5
4巨人 65 79 2 5.5
5広島 62 79 5 1.5
6横浜 58 84 4 4.5
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■ 球児SOS!
 藤川が鳴尾浜球場でのトレーニング後に自らが抱いている不安を吐露した。「中継ぎが長いと、どうしても体にシワよせがくる」。この2年で計143試合に登板。今季は右肩の違和感も経験したこともあり、起用法について首脳陣との話し合いを持ちたい考えだ。チームは明日、ヤクルトと今季最終戦。炎のリリーフエースが、波乱含みのオフに突入する。

■セ・リーグ順位表
[2006/10/15現在]
   勝 敗 分 差
1中日 87 53 5 優勝
2阪神 83 58 4 4.5
3ヤクルト 70 72 3 13.5
4巨人 65 79 2 6.0
5広島 61 79 5 2.0
6横浜 58 84 4 4.0
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■ 若虎ハツラツ!
10/14 広島
◆対広島最終戦
[阪神14勝6敗2分]
神200 000 000=2
広310 000 20X=6
[勝]大竹 6勝13敗
[敗]岩田 1敗
▼本塁打
(神)鳥谷15号
(広)前田22号・倉5号


 一塁線を破った痛烈な打球の行方を確認すると、一気に加速した。初回2死一、三塁からの記念すべきプロ初打点。二塁ベースに到達した喜田は笑顔で両手をたたき、喜びを表した。

 「初球はカーブが抜けた。だからストレート一本で狙って打った。飛んだコースが良かった。普段通りリラックスして打席に立って、打ち返すことができた。僕ももう、若くない。結果を出さないと終わってしまう…」

 今月25日には27歳の誕生日を迎える。プロ5年目の今季も開幕は2軍スタート。ダメなら戦力外という恐怖におびえながらも最後まで1軍切符を目指し、必死にファームで結果を求めた。その結果、ウエスタン・リーグでは本塁打、打点、安打数、得点、塁打部門でトップの数字を残した。しかも、本塁打と打点の2冠王は2年連続だ。

 その陰には一人のコーチの存在があった。「やっぱり寂しいよな。昨日の夜にじっちゃんには電話で報告したよ」。江藤、中村紀ら数々の一流選手を育てあげてきた水谷2軍育成チーフ兼打撃コーチが今季限りで退団。鳴尾浜で共に汗にまみれてくれた鬼軍曹との別れは、大砲候補を独り立ちさせた。

 やはり水谷コーチの門下生だった赤松も、負けじと抜てきに応えて結果を出した。2回の第2打席では143キロの速球を左前打し、プロ初安打。8回には低めに落ちるカーブに食らいつき左前へと運び、初のマルチ安打というおまけも付いた。

 「アピールとかチームに貢献とか大きなことは言えない。今は2軍でやってきたことを1軍でもできるか、ということ」

 岡田監督も「最後もカーブを食らいついて安打にするんやからな。ああいうのを見せてくれたら違うわな」と称えた。広島入りした前夜は喜田、赤松、坂らが広島名物のお好み焼きに舌鼓を打った。待ちに待った日に備えて英気を養った“日本一戦士”たちは、虎の穴で培った成果をきっちり魅せた。必ずや虎を背負って立つ精鋭たちが猛虎の将来を明るく照らす。

■セ・リーグ順位表
[2006/10/14現在]
   勝 敗 分 差
1中日 86 53 5 優勝
2阪神 83 58 4 4.0
3ヤクルト 69 72 3 14.0
4巨人 65 78 2 5.0
5広島 61 79 5 2.5
6横浜 58 83 4 3.5
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■ 若手鍛える!
 町田の引退会見が西宮市内の球団事務所で行われ、ポスト未定ながら来季からの2軍コーチ就任も発表された。

 「一流のプロは最初から最後までレギュラーとして試合に出る。やはり、レギュラーとしてこの世界にいたかった」

 無骨な野武士らしい、別れの言葉だった。広島、阪神の15年間で放った代打本塁打20本はセ・リーグ記録。球史に名を刻んでもなお、上を見続けた男。晩年、若手にまじって猛練習を積んだ日々は、町田の野球人生そのものだった。

 「好かれるコーチはいらない。本当の野球選手になるためには、ファームは大事な時期。厳しさがあるのがいいコーチだと思う」

 その目は早くも次なるステージへと向いていた。「若いのを鍛えていかなアカンしな」と岡田監督。頼もしい兄貴分が若虎たちの先頭に立ち、汗にまみれる。

■セ・リーグ順位表
[2006/10/13現在]
   勝 敗 分 差
1中日 85 53 5 優勝
2阪神 83 57 4 3.0
3ヤクルト 69 71 3 14.0
4巨人 65 78 2 5.5
5広島 60 79 5 3.0
6横浜 58 83 4 3.0
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■ 万感の胴上げ!
10/12 甲子園
◆対中日最終戦
[阪神7勝14敗1分]
中000 000 100=1
神020 012 00X=5
[勝]安藤 10勝3敗
[敗]マルティネス6勝9敗
▼本塁打
(中)森野10号
(神)


 甲子園が泣いた。阪神ナインも中日ナインも、みんなが泣いた。片岡が15年間の現役生活にピリオド。『6番・三塁』で出場し、2安打を放って、勝利で花道を飾った。苦しんだタテジマでの5年間だったが、野球に対する真っすぐな姿は、ファンの脳裏に、深く刻み込まれた。

 花道を男泣きで濡らした。悩み、苦しみながら戦い抜いた片岡らしい。甲子園を埋めたファン。両ベンチ前に並んだ仲間たちに見守られ、マウンドに立つ男の目から、涙が止まらなかった。

 「(阪神では)思うような成績が残せず、何度も泣きながら…泣きながら球場を後にしたこともありました。高校時代に教わった気合と根性を前面に出して戦ってきましたが、もう限界です…」

 真っすぐな言葉だった。日本ハムでの栄光、阪神での挫折。走馬灯のように頭を巡った。しかし逃げずに全力でぶつかってきた。だからこそ「夢に見た甲子園で、8歳から始まった野球人生をこれだけのファンの前で終えることができた自分は幸せ」と胸を張った。

 岡田監督に直訴し『6番・三塁』で出場した引退試合。五回に中前適時打、七回に左越え二塁打を放ち、花道を飾った。打球を追った左翼手は立浪。最後の舞台が甲子園で、親友のいる中日戦。「運命を感じた。本当に楽しいこと、悔しいことをいつも…」。嗚咽で言葉は続かなかった。

 15歳、名門・PL学園で出会った。「デカイのにカ細い奴やな」と立浪。「すごい選手や…」と片岡。そこから始まった2人。高2の冬には大不振の片岡を立浪が誘い、寮の裏山で朝5時から落ち葉を拾い、同校の教えの“徳をつむ”を毎日続けた。高3で春夏甲子園連覇を果たし、別々の道に進んだが「お互い何十年たっても、あの時と同じ気持ちのまま、やろう」と誓い合った。頻繁に連絡し合い、励まし合いながら歩んだ道。20年を経ても、何も変わらなかった。

 9月30日、甲子園。優勝を占う大一番は互いにベンチに座っていた。二回、中日の攻撃。8番・谷繁の時、投手に代わってネクストに立浪が立った。本来なら若手が担う役。それを自ら買って出て、真剣に素振りを続けた。恥も外聞もない、ただ野球への真摯な思い。一塁ベンチの片岡には、痛いほど伝わった。その裏。8番・藤本の時、林を制し、自らネクストに立った。「プロ15年で初めてやな。あいつはそういう奴や…」。首位攻防戦の影で、出番のなかったベテラン2人の見せた姿。それこそ、純粋に白球を追いかけた時代と、変わらない情熱だった。

 「生んでくれた両親、支えてくれた家族、素晴らしい先輩、素晴らしい友、素晴らしい人生…与えてくれた野球に感謝します!」。大歓声に包まれた。阪神移籍後に誕生した2人の愛息から花束を受け、立浪と抱擁を交わし、両軍ナインの胴上げで5度、空を舞った。みんな、泣いていた。最高の引退試合だった。

■セ・リーグ順位表
[2006/10/12現在]
   勝 敗 分 差
1中日 85 53 5 優勝
2阪神 83 57 4 3.0
3ヤクルト 69 71 2 14.0
4巨人 65 78 2 5.5
5広島 60 79 5 3.0
6横浜 58 83 3 3.0
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■ 涙の引退会見…
 全力プレーで有終飾る! 片岡が甲子園球場内で引退会見。引退試合となる明日の中日戦で、最後の勇姿を披露することを誓った。

 「15年やってきて最後の試合。それも、甲子園という最高の舞台で野球人生を締めくくれるのは嬉しい。いろんな思いを持ちながら、ボールを追いかけたい」

 目にうっすらと涙を浮かべて臨んだ記者会見。日本ハム、阪神と15年間に及ぶ現役生活を振り返ると、何度も感謝の言葉が口をついた。

 「いろいろな人に支えられて今の僕がある。5万人のファンがいる甲子園で野球ができるのは、すごい喜びだった。野球に感謝したい」

 通算1569試合目となるラストゲーム。PL学園時代からの親友、中日・立浪が見守る中、壮絶な戦いの日々が終わりを告げる。

■セ・リーグ順位表
[2006/10/11現在]
   勝 敗 分 差
1中日 85 52 5 優勝
2阪神 82 57 4 4.0
3ヤクルト 69 70 2 13.0
4巨人 65 78 2 6.0
5広島 60 79 5 3.0
6横浜 57 83 3 3.5
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■ 連覇の夢消える…
 中日が優勝を決め、球団史上初のセ・リーグ連覇という阪神の夢がついえた…。

 奇跡への扉が閉ざされた。自らは、どうすることもできない。もどかしい時間の中、虎の闘いが静かに終えんを迎えた。

 「1年トータルでのゲームやから。追い上げたというても、優勝争いしてるチームに分が悪すぎた」

 岡田監督は西宮市内の自宅で運命の行く末を見守った。12日の甲子園直接対決を前にV逸。6勝14敗1分けと負け越した中日戦を敗因に挙げた。

 3年契約最終年。「球団で誰もしたことがないんやから。連覇したら、辞めてもいい」。課せられた命題は球団初の連覇と、21年ぶりの日本一。自らの去就を賭けてきた集大成の1年だった。

 重圧に押しつぶされそうになる。球場に出発する前、決まって激しいおう吐に襲われる。「グラウンドに出るときは、胃が空っぽなんや」。人前では弱みを見せない。タテジマを着れば、気丈に振る舞った。

 最大9ゲーム差。コーチ会議で、片岡に代わって喜田の昇格が検討された。「片岡を外したら、諦めるということやろ」。何が起きるか分からない。消えそうな灯火を手で覆い、奇跡だけを信じてここまできた。

 9月16日にノーヒットノーランの屈辱を味わうなど、ナゴヤDでは1勝10敗。「ナゴヤドームで借金9もしていたら勝てないわな。対策を何とかせんとなアカン」と早くも来季に目を向けた。

 「勢いじゃなく、トータルで最後まで踏ん張れた。目指しているチームになってきたわけやから。まず優勝争いするチームに負けないことや。80勝以上して勝てなかったということは、来年はこれ以上、勝たないといかんということ」

 前半は故障者に泣き、終盤は崖っぷちから執念をみせた。80勝を超えるハイレベルな優勝争い。竜を苦しめ、落合監督すら脱帽させた。それでも満足はできなかった。

 「こんな中でやったのは、大きいよ」

 その一言には自信もみなぎる。球団は来季1年契約を用意。岡田阪神の4年目は文字通り背水となる。至上命題となるV奪回は、まず竜倒から始まる。

■セ・リーグ順位表
[2006/10/10現在]
   勝 敗 分 差
1中日 85 52 5 優勝
2阪神 82 57 4 4.0
3ヤクルト 69 70 2 13.0
4巨人 65 78 2 6.0
5広島 60 79 5 3.0
6横浜 57 83 3 3.5
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■ 希望の灯消えるまで…
 僅かでも可能性ある限り…。阪神が最終決戦の“準備”を整えた。中日の優勝が12日の直接対決まで延びた場合、8日の巨人戦で救援登板した安藤に続き、福原もブルペン待機させる方針が固まった。中12日で満を持す先発予定の下柳以下、総動員態勢で甲子園胴上げ阻止を目指す。

■セ・リーグ順位表
[2006/10/09現在]
   勝 敗 分 差
1中日 84 52 5 M1
2阪神 82 57 4 3.5
3ヤクルト 68 70 2 13.5
4巨人 65 77 2 5.0
5広島 60 78 5 3.0
6横浜 57 83 3 4.0
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■ 大きな1敗…
10/08 甲子園
◆対巨人最終戦
[阪神11勝11敗0分]
巨100 000 000 4=5
神000 000 100 0=1
[勝]高橋尚2勝5敗15S
[敗]久保田5勝7敗16S
▼本塁打
(巨)
(神)


 猛虎の夢見た奇跡は夢のままで終わってしまうのか? 阪神が大きな大きな1敗を喫した。延長10回、久保田の4失点乱調で岡田阪神が沈んだ。過去3年間続いていた巨人戦勝ち越しも途絶え、中日の優勝マジックはついについに「2」へ…。12日に控える直接対決までもう試合はなく、中日の2試合を見守るしかできない。再び光は見えるのか。今はただ天命を待つ。

■セ・リーグ順位表
[2006/10/08現在]
   勝 敗 分 差
1中日 83 52 5 M2
2阪神 82 57 4 3.0
3ヤクルト 68 69 2 13.0
4巨人 65 77 2 5.5
5広島 60 77 5 2.5
6横浜 56 83 3 5.0
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■ 夢つなぐ2発!
10/07 甲子園
◆対巨人21回戦
[阪神11勝10敗0分]
巨000 000 021=3
神010 100 03X=5
[勝]ウィリアムス3勝2敗3S
[S]藤川 5勝17S
[敗]久保 5勝6敗
▼本塁打
(巨)高橋由14号・清水6号
(神)金本24号、25号・濱中20号


 アニキの豪打にマンモスがしびれた。金本が2発3打点。主砲の十二分過ぎる働きで、3連勝を飾った。首位・中日が横浜に逆転負けしたことで、マジックは4のままながらゲーム差は再び2に接近。猛虎の残り4試合は、劇的結末を招くためにある。

■セ・リーグ順位表
[2006/10/07現在]
   勝 敗 分 差
1中日 82 52 5 M4
2阪神 82 56 4 2.0
3ヤクルト 68 68 2 13.0
4巨人 64 77 2 6.5
5広島 59 77 5 2.5
6横浜 56 82 3 4.0
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■ 奇跡へフル回転頼む!
 逆転Vローテの柱は井川に任せた! 井川が神宮室内練習場での投手指名練習に参加。中4日で8日の巨人戦に先発することとなった。奪三振部門でも現在2位であることから、14日の広島戦での登板も決定。残り5試合で2度マウンドに立ち、落合竜追撃の旗頭となる。

■セ・リーグ順位表
[2006/10/06現在]
   勝 敗 分 差
1中日 82 51 5 M4
2阪神 81 56 4 3.0
3ヤクルト 67 68 2 13.0
4巨人 64 76 2 5.5
5広島 59 76 5 2.5
6横浜 55 82 3 5.0
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■ Vもタイトルも獲る!
 ヤクルト戦は雨天中止。岡田監督は2年連続の最優秀中継ぎ投手のタイトルが懸かる藤川を残り5試合、ホールドポイントがつく場面で投入する方針を示した。首位・中日が広島に敗れゲーム差は2.5。この日ファン選出が発表された日米野球は出場辞退する予定で、逆転Vとチーム6年ぶりとなるノンタイトルの阻止へ、球児が最後の力を振り絞る。

■セ・リーグ順位表
[2006/10/05現在]
   勝 敗 分 差
1中日 81 51 5 M5
2阪神 81 56 4 2.5
3ヤクルト 67 68 2 13.0
4巨人 64 76 2 5.5
5広島 59 75 5 2.0
6横浜 55 82 3 5.5
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■ 炎のトラップ!?
10/04 神宮
◆対ヤクルト21回戦
[阪神12勝8敗1分]
神031 000 000=4
ヤ002 000 000=2
[勝]安藤 9勝3敗
[S]ウィリアムス2勝2敗3S
[敗]石井一10勝7敗
▼本塁打
(神)矢野17号
(ヤ)


 オシム・ジャパンも顔負け!? 藤川の見事な“足技”が、チームを救った。2点差の7回1死一、二塁で中継ぎ起用されると、2死後、鈴木健の中前に抜けようかという打球を右足でナイストラップ。投ゴロでピンチを断ち、8回も抑えて9回のウィリアムスにつないだ。中日のサヨナラ勝ちでマジックは「5」となったが、虎は夢を捨てずにプレッシャーをかけ続ける。

■セ・リーグ順位表
[2006/10/04現在]
   勝 敗 分 差
1中日 81 50 5 M5
2阪神 81 56 4 3.0
3ヤクルト 67 68 2 13.0
4巨人 63 76 2 6.0
5広島 58 75 5 2.0
6横浜 55 81 3 4.5
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■ 再神撃!
10/03 神宮
◆対ヤクルト20回戦
[阪神11勝8敗1分]
神000 003 001=4
ヤ000 000 000=0
[勝]井川 13勝9敗
[敗]石川 10勝8敗
▼本塁打
(神)
(ヤ)


 先発した井川が今季2度目の完封で昨季に並ぶ13勝目。リーグ奪三振王に躍り出る快投で逆転Vへの可能性をつなぎとめた。残り6試合。岡田監督は「まだ投げさすよ」とマウンドへ送り出す考えを示し、エースのフル回転で最後まで戦い抜く覚悟だ。

■セ・リーグ順位表
[2006/10/03現在]
   勝 敗 分 差
1中日 80 50 5 M6
2阪神 80 56 4 3.0
3ヤクルト 67 67 2 12.0
4巨人 63 75 2 6.0
5広島 58 74 5 2.0
6横浜 54 81 3 5.5
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■ 夢実現へ加速!?
 井川の米大リーグ移籍に対し、球団内で容認論が高まっていることが分かった。今オフ、井川側からポスティングシステム利用の申し入れがあった場合、受け入れを検討する方針が浮上。仮に日本シリーズ進出がなければ、2006年最後の先発登板に予定される明日のヤクルト戦が“猛虎最後の先発マウンド”となる可能性が出てきた。

■セ・リーグ順位表
[2006/10/02現在]
   勝 敗 分 差
1中日 79 50 5 M7
2阪神 79 56 4 3.0
3ヤクルト 67 66 2 11.0
4巨人 62 75 2 7.0
5広島 58 73 5 1.0
6横浜 54 80 3 5.5
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■ 恵みの雨や!
 虎に恵みの雨。中日戦が中止となり、最後の直接対決は12日に仕切り直しとなることが濃厚となった。竜は8連戦後、中1日での試合になり、直前3日間、ゲームのない虎が優位。そこで、福原、安藤、さらに下柳ら先発投手陣に総動員指令。藤川の早期投入もある。まさに必殺継投だ。

■セ・リーグ順位表
[2006/10/01現在]
   勝 敗 分 差
1中日 79 50 5 M7
2阪神 79 56 4 3.0
3ヤクルト 67 66 2 11.0
4巨人 62 75 2 7.0
5広島 58 73 5 1.0
6横浜 54 80 3 5.5
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