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■ 日本向き!
 新外国人・フォードの実力を知る最高の“証言者”が現れた。05年までメジャー9年のプレー経験を持つ本紙評論家・長谷川滋利氏が「日本向き」と断言した。フォードのメジャー初安打、メジャー初本塁打は、いずれもマリナーズ・長谷川から奪ったものだった。打たれた男だから分かる、フォードの素顔とは―。

 ユニホームを脱いで、2年以上が過ぎている。それでも、長谷川氏は鮮明に覚えていた。メトロドームに鳴り響くツインズファンの「ルー!」の大合唱。そして、そのエネルギッシュなプレースタイル…。長谷川氏にとって、フォードは忘れられない男だった。

 「初安打も初ホームランもボクから打っているので、よく覚えていますよ。能力の高い選手でした」

 マリナーズで05年までプレーした長谷川氏。ツインズに在籍したフォードとは同じア・リーグで対戦経験があった。それどころか、2本の痛打を浴びている。フォードがデビューした03年。5月29日に右前にメジャー初安打を打たれ、3日後の6月1日にはメジャー初本塁打を献上した。03年は故障の佐々木に代わってマ軍のクローザーを務めるなど、自己最高の防御率1.48を記録してオールスターにも出場した“全盛期”だった。

 「ボクは以前から日本向きの選手だと思って見ていました。打撃は前に突っ込まないので、変化球を打つのがうまい。真っ直ぐも日本の投手は速くても140キロ台後半が大半なので、そのぐらいの球速なら十分に対応できます」

 04年に154試合出場で打率.299、15本塁打、72打点をマークしたフォード。その後の伸び悩みについて、長谷川氏は「中堅にハンターがいて、なかなか出番がなかった」と語る。ハンター(08年からエンゼルス)は01年から7年連続ゴールドグラブを誇る、マリナーズ・イチローと肩を並べる名手だ。蓄積した鬱憤は阪神という新天地で働くエネルギーになる。

 「人間的にもいいヤツで、誰からも好かれていました。コーチの言うこともよく聞く。ただ、逆に性格が良すぎるので、フォームのことをいろいろ言われるとその通りにしてしまう心配もあります。最初は自由にやらせたらいいのではないでしょうか」

 外野と、クリーンアップの一角としてフォードに大きな期待を寄せる岡田阪神。頼もしい長谷川氏の証言だった。
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