2005.10.24 Monday
■ 勢いを止めろ!
最多勝左腕の真価を発揮するときが来た。まさかの連敗スタートで迎える運命の第3戦。祈りにも似た虎党の期待を一身に背負えるのは、この男しかいない。下柳剛、37歳。満を持して本拠地・甲子園で先発マウンドに立つ。
「今年はずっと負けた後の分岐点ばかりやな。中日戦で切り抜けてくれたのもシモやった。シモが頑張ってくれたら、こっちに流れが来るやろ」 岡田監督が絶大な信頼を寄せるのも、無理はない。下柳が先発した24試合のうち、敗戦後の登板は10試合。ベテランの踏ん張りが、チームを8勝1敗1分の好成績に導いた。特筆すべきは9月に井川で落とした翌日の中日戦で3連勝(自身は2勝)。0.5差で迎えた1日の一戦は5回を3安打1失点に封じて首位を堅守した。 もちろん、一人だけの力で勝ち取ったものではない。ペース配分を考えず5、6回をメドとした今シーズン。そこにはリリーフ三本柱「JFK」の存在があった。 数字は雄弁だ。下柳が先発し、JFKが1人以上登板した試合で、チームは16試合13勝2敗1分け。下柳とJFK3人だけの4人リレーなら7戦全勝で、先発して目安の6回を投げ切れば、完全無敵の必勝パターンへと持ち込める。 「オレに近づくなよ」 不敵な笑みを浮かべて報道陣を制したこの日はブルペンに入り、最終調整。投球後はショートダッシュを繰り返し、万全の状態に仕上げて練習を切り上げた。 今季、甲子園では8勝1敗と、地の利を十二分に生かしてきた。負ければ、王手をかけられる崖っぷち。驚異の37歳がここ2試合集中打を浴びている“魔の中盤”をしのぎ、猛虎復活の呼び水となる。
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