虎番記者席

■ 球児特別発走!
 藤川が経営難にあえぐ故郷の高知競馬場の活性化のために協賛した特別レース「応援ありがとう協賛・22番 藤川球児特別」(第7R)が、同競馬場で行われた。プレゼンターとして出席した球児をひと目見ようと、詰めかけた多数のファンで場内は大盛況。1日の売り上げでも大みそかにして今年初めて前年同日の数字を上回るなど、球児イヤーの締めくくりにふさわしい見事な「救援劇」となった。

 高知が誇る球界最強セットアッパーの登場に、場内が沸き返る。第7レース終了後。表彰式のプレゼンターとして舞台に上がった球児に、地元ファンの大きな拍手が降り注いだ。

 「生まれ育った高知には、やっぱり思い入れがありますからね。少しでも役に立てればと思って…」

 この日の観客数2771人は前年同日の2354人から17%増。また、1日の売り上げ9670万円は微増だったが、同競馬場が売り上げで前年実績を上回ったのは今年初めてのこと。大みそかにして初めてもたらされた黒字の価値は計り知れない。

 絶大な“球児効果”に関係者も「今年の流れから前年の90%なら御の字と思ってました。感謝としか言いようがないですね」と最敬礼。また「来年以降、恒例になってくれたら。それまで倒れないように頑張ります」と、これを契機にさらなる立て直しを目指すことを誓った。

 スピーチでは高知県内の少年野球チームを甲子園に招待することを宣言。「お父さん、お母さん。どうか子どもさんに野球をさせてあげてください」と呼び掛け、喝さいを浴びた。

 5日に高知から帰阪し、10日からは自主トレのため沖縄へ。「今年のことは年内のうちに整理できた。開幕ダッシュできるように、気持ちを切り替えて調整していきます」。圧巻の救援劇とともに、球児の05年は終わった。
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