虎番記者席

■ ミスター交流戦!
 博多へ向かう新神戸駅のホーム。瞳はクリクリっと輝き、足取りも軽く、浜中に悲壮感はなかった。交流戦から合流というシチュエーションは2年前と同じでも、事情は大きく違っていた。

 「頑張るだけです。実戦感覚も試合をやっていくうちに良くなっていくと思う。リタイアした分をやり返したい?はい、そうですね」

 明日のソフトバンク戦で、背番号5が1軍復帰する。4月22日の巨人戦で右広背筋を肉離れ。ボールはまだ投げられないが、バットを力強く振れるまで回復した。

 「DHが使えるし、向こうは左、左と来るからな。打順は6、7番のところかな。打つ方だけでも頑張ってほしい」

 第1戦が杉内、第2戦が和田…。日本代表候補にも選出された強力左腕の2連チャンが予想され、岡田監督の対抗策が『7番・DH』での浜中起用だった。

 05年の涙が忘れられない−。交流戦は間違いなく浜ちゃんのためにあった。2度の右肩手術から復帰した舞台が最初のカードだった日本ハム戦。適時二塁打を放ち、塁上で思わず目から熱いものが流れ落ちた。感動のドラマは猛虎を勢いづかせ、パ・リーグ相手に貯金8。逆に失速した中日を逆転して首位に立つと、そのままリーグ制覇した。

 ただ、今年の浜中はもう未知の力ではない。指揮官にとっては逆襲のための大きな武器という位置づけだ。開幕から打率.158、0本塁打と苦しんでいたが、抹消期間中に打撃修正できた…とプラスに考える。
 20日はプロアマ交流試合のニチダイ戦に「4番・DH」でフル出場。左中間二塁打を放つなど4打数2安打と試運転も上々だった。2年前が「復活」なら、今年は「飛躍」の年。だからもう涙は出てこないだろう。

■セ・リーグ順位表
[2007/05/21現在]
   勝 敗 分 差
1巨人 27 18 0 ―
2中日 25 18 1 1.0
3広島 21 21 0 3.5
4横浜 20 21 0 0.5
5阪神 19 22 1 1.0
6ヤクルト 14 26 0 4.5
[ comments(0) ]