虎番記者席

■ 金本不発…
 フルスイングで応えた。球宴でも21歳差の対決が実現。「僕は控えめな人間なんで、ひっそりと。(本塁打は)いい」。試合前には控えめな言葉を残して夢の舞台に向かった。しかし、速球勝負を挑んだ田中将の気迫が金本の闘志に火を付けた。

 打席に足を踏み入れ、マウンドに視線を送った。その瞬間、シーズンと同様に鋭い目つきに変わった。投手と打者だけの空間にはお祭りムードはない。先頭打者として迎えた2回の第1打席。内角やや高めの148キロに手を出した一打は中飛。力のない打球の行方を見つめながら唇をかみ締めた。シーズン中と同様に悔しさをあらわにした。4回の第2打席も真っ向勝負。カウント1−0からの2球目だ。真ん中への149キロをフルスイングで空振り。続く3球目も高めの147キロをフルスイングした。しかし無情にも2球連続でバットは空を切った。

 「いい投手だよな。顔つきがいいよ」

 以前から実力を認めるからこそ大ベテランも正面から向かっていった。「打つしかない」。その意気込みもむなしく結果は無安打2三振。この夜は見せ場なく終わった。しかし41歳の今もなお力で立ち向かう男の姿を、球界の後輩たちはあこがれのまなざしで見ていた。

■セ・リーグ順位表
[2009/07/24現在]
   勝 敗 分 差 CM
1巨人 50 28 7 ― 43
2中日 51 34 1 2.5
3ヤクルト 46 33 0 2.0 52
4広島 35 46 3 12.0
5阪神 32 46 4 1.5
6横浜 30 54 0 5.0
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