虎番記者席

■ 来年限りで終わり!?
 就任5年目を迎える岡田監督が「もうエエやろ。しんどいワ」とV逸→辞任を示唆。“次”がない単年契約だが、来季のチームを「最強」と位置付け、不退転の決意で05年以来のペナント奪回に挑む。

 負ければ、ジ・エンド。そんな決意が、ドッキリ発言となって飛び出した。ハワイの太陽とビール。岡田監督はちょっぴり早い、“おとそ気分”に浸っていた。

 「就任からの4年間?今にして思えば短かったな。ウン、もうエエやろ。しんどいワ…」

 今年は進退に関して「4位以下なら話し合い」という“サイドレター”があった。裏を返せばAクラスなら続投だった。来年は違う。1年勝負の単年。4位も、追撃及ばず無念の2位も同じ。もちろん電鉄本社や球団は、結果だけではなく、その内容で判断するが、指揮官のハラは「V逸なら辞める」。解雇よりも辞任を選ぶ。それが“最後の仕事”。球団から肩を叩かれる前に身を引く。そう心に決めた。

 1950年の2リーグ分立後、阪神で5シーズン以上連続して務めた監督は松木謙治郎氏(50−54年)、中村勝広氏(90−95年途中)の2人だけ。『トップ3』に入り、二軍も含めて、トラの指導者は10年目となる。

 「こういうのは積み重ねやから。勝てへんのは、監督が何もしてへんから。オレは、おいしいとこ取りも嫌いやから」

 巨人が大型補強に成功した。年末から爆弾発言を繰り返すが、それは自信の裏返しでもある。FAで新井、トレードで金村暁らを獲得。新外国人はフォードとアッチソンがいる。勝てる!!アルコールの力を借りることなく言い切れる。

 「この4年で一番いいチームになったと思う。今岡が新井に刺激?そらそうよ。本人が一番、思っているはずよ」

 そらそうよ―。何度も口にしたフレーズに自然と力が入る。この世界は長期政権が安定には直結しない。それは岡田監督もわかっている。

 「次にやる者との比較対照になるんやから」

 現時点での評価に興味はない。だから、あえて崖っぷちに追い込んだ。“敵”は中日や巨人だけではない。周囲の声、そして視線…。勝つことだけが、それをネジ伏せる手段。ハワイから激動のシーズンへ。将は覚悟を決めて、荒波に飛び込む。
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