2006.01.21 Saturday
■ 監督道を受け継ぐ!
岡田監督は遠い目をした。「この球場の監督室でなあ…」。亡き仰木氏の遺影に花を捧げ、師と仰ぐ恩人との思い出が甦った。
「第二の人生は仰木さんに決めてもらった」 1995年秋だった。オリックスで現役を終えることが決まり、解説者の誘いを受けていた。指導者という選択肢は最初は頭になかった。オリックスから2軍コーチへの就任を打診され、仰木氏に監督室へ呼ばれた。 「ユニホームは可能な限り着続けた方がいい。それが野球界への恩返しというものや」 あの言葉がなければ、いまの監督岡田は存在していなかったかもしれない。師の勧めから就任したオリックス2軍助監督兼打撃コーチが指導者としての第一歩だった。 「若い子と一緒にやって初めてチームづくりを考えるようになった。仰木さんのひと言が大きかったんや…」 昨季の交流戦では“関西決戦”として対決。最後までグラウンドで戦い続けた野球人の姿は目に焼きついて消えない。 「仰木さんはずっとユニホームを着続けた。最後までグラウンドに立って指揮を執った。ベンチを分かれて対戦できるとは思ってなかった。去年は交流戦のおかげ」 昨年は初めて“優勝監督”に輝いた。それでもまだ道半ば。仰木氏との別れの儀式。「野球界を引っ張っていきます」。そう遺影に誓った。 「仰木さんの監督道を受け継いでいく。同じようにはできんけど…。グラウンドでいいゲームをして勝つことしか恩返しはない。やっていくしかないんや。残された者は、みんなな…」 連覇を、そして、日本一を狙う2006年。10日後には春季キャンプが始まる。猛虎の将が決意を新たにした。
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