2006.11.06 Monday
■ 虎構想崩壊…
岡田阪神を「激震」が襲った。阪神がFAで獲得を狙っていた広島・黒田が、宣言せずに残留を表明した。秋季キャンプ地の岡山で同投手の決断を伝え聞いた岡田監督は「宣言すると思ってたけどな。宣言したら現場、フロントともに獲りにいく方針やった」と落胆を隠せなかった。エース井川のメジャー移籍が濃厚な上に黒田獲りも不発。若手を含めた投手の育成と同時に今後、補強策の転換を迫られそうだ。
阪神にとっては、まさに「予想外」の黒田残留だった。一報を伝え聞いた岡田監督の表情は曇った。 「ああいう(迷っている)感じやったから宣言すると思っとったけどな。3度の広島との慰留会談? そこで残留方向になったんやろうな。宣言すれば現場、フロントともに獲りにいく方針やった。まあ、せんものはこちらからどうしようもないからな…」 阪神は今オフのFA補強を黒田一本に絞って調査を続けてきた。地元大阪出身の本格派右腕に対し、不退転の決意で獲得に向かう方針を固め、交渉解禁になれば真っ先に意思表明する予定だった。「相思相愛」とも見られていただけに、テーブルにもつけなかったショックは大きい。これまで岡田監督は「(宣言するまでは)何も言えない」と繰り返してきたが、皮肉な形で初めて「黒田獲り」の意思があったことを公言することになった。 加えてエース井川はポスティング制度でのメジャー移籍が今週中にも容認される方向となっている。黒田がエースの穴を埋める、最大の候補でもあった。しかし、その青写真は大きく狂ってしまった。 岡田監督は黒田に代わる補強について、この日の時点では否定した。「補強策の修正はせんよ。獲れると決まってた投手やないしな。若手の成長に期待? 井川がポスティングになったら左に出てきて欲しいというのはあるが限定してるわけやない。右でも左でもチャンスはある」とチーム内の競争に期待するしかなかった。 トレードについても「こちらから仕掛けるものはない」とし、その他のFA選手にも「ないな」と興味を示さなかった。また交渉中のライアン・ボーグルソン投手以外、さらなる外国人補強にも「宣言しなかったら外国人という考えはなかった」と話した。もちろん、ここまで黒田の宣言を想定していただけに、すぐに頭を切り替えられるはずもなかった。 4日には井川のメジャー挑戦に「行くなら、ローテーションに入って頑張ってほしい」とエールを送っている。ただ、黒田ショックを受けたこの日は「スタンスは変わらない? まだわからんよ。日米野球が残っているし、終わってからになると思うよ」と語るにとどめた。エースは去り、欲しかった広島のエースは来ない。V奪回を目指す来季に向け、補強を含めた投手陣の再構築が岡田阪神、最大の課題となった。
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