虎番記者席

■ 吉兆マウンド!
 下柳が明日の広島戦に今季初先発。プロ通算16年目で節目の500試合登板となるベテランは、改めてフォア・ザ・チームの姿勢を強調した。

 「オレ個人の記録なんて関係ない。どうでもいいよ。チームが勝てばそれでいいんだ」

 何よりもチームを優先する男は、自身の積み上げてきた数字にも無関心を貫いた。長いプロ野球の歴史にあって、77人目となる勲章。それでも目の前にあるのは、チームの勝敗を五分に戻すことだけだった。

 「記録の登板はここが多いらしいな」

 岡田監督が語ったように、メモリアルは広島で達成されるケースが多い。03年の1000投球回、そして昨年の1000奪三振。いずれも広島市民球場が舞台だった。

 因縁はまだまだある。史上最年長最多勝を獲得した昨年の初登板は、ここ広島。開幕戦黒星の後の2連勝を受けて登ったマウンドは、6回2失点の好投。チームの連勝を伸ばすとともに、15勝をマークする快挙への第一歩だった。明日のナイトゲームに勝利すれば、これ以上の吉兆はない。2年連続の快進撃へ、視界は一気に開けていく。

 「いい形で勝てればね。同級生はみんなすごいわ」。女房役を務める矢野は好リードでのアシストを誓う。

 下柳はこの日はブルペンに入らず、ショートダッシュ中心の調整。「何もないよ」。多くを語らず、決戦の地を後にした。飽くなき向上心を抱き続ける左腕にとって、「500」の数字も単なる通過点。いつもと同じく、勝利の2文字を追求するだけだ。

■セ・リーグ順位表
[2006/04/03現在]
   勝 敗 分 差
1中日 2 1 0 ―
1ヤクルト 2 1 0 0.0
1巨人 2 1 0 0.0
4阪神 1 2 0 1.0
4横浜 1 2 0 0.0
4広島 1 2 0 0.0
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